認定看護師
2022年3月4日掲載
当院では、5分野の認定看護師が臨床現場で活躍しています。
感染管理認定看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師が専門性を発揮し活躍しています。
感染管理認定看護師 大渡 由美子
神奈川病院は、急性期から慢性期まで幅広い医療の提供と、政策医療である結核・成育医療があり、かつ地域支援病院としての役割を担っています。そのため、感染対策の活動も幅広く専門的な知識や視野が必要とされます。
感染管理は、病院に関わるすべての部門の職員、患者様とご家族、また地域の皆様を感染から守ることが使命です。そのため、関係者の方とお話ししながら、ひとつひとつ感染対策について実践・指導・相談を行っています。病院内では、医師やメディカルスタッフ、ICT(インフェクションコントロールチーム)メンバーなど多職種と協働し、それぞれの専門分野の知識を生かして組織横断的に病院全体の感染症対策につなげています。また、看護部では実践モデルとなるリンクナースと協力し、環境の改善や感染予防対策の徹底に努めています。
病院外では、他の施設での講義・ラウンドや相談を受けることや、保健所と協働して近隣施設のアウトブレイクに介入することもあります。
感染管理は地道な活動ですが、やりがいを感じています。常に新しい情報や知識を勉強しながら、病院や地域の方々に役立てる感染管理を目指します。
皮膚排泄ケア認定看護師 濱部 恵里子
週1回行われる褥瘡回診では、褥瘡チームの一員として参加し、専門的な看護ケアを提供することで褥瘡保有者の治癒に努めています。
最近では退院後、ご自宅での褥瘡や創傷の処置が必要な方とそのご家族の支援に関わらせていただくケースも増えてきました。入院中だけではなく退院後の生活も安心してケアの継続ができることを視野に入れた看護を目指しています。
その他、病棟での創傷やストーマケアなどの相談対応や勉強会を開催するなど、院内で看護にあたる一人ひとりが、治療されている患者の皆様に少しでも質の高いケアを提供できるよう私自身も学びながら励んでいる日々です。これからもより一層努力していきますのでよろしくお願いします。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 重田 幾代
慢性呼吸器疾患看護認定看護師 丸谷 耕子
慢性呼吸器疾患には、安定期・増悪期・終末期といった病期があり、病期によって必要となるケアも異なりますので病状を正確に把握し、適切なケアを行うための専門知識や技術が求められることとなります。
憎悪期では意思決定を尊重した治療決定とともに、酸素療法や人工呼吸器装着看護、NPPV導入などの実施、また、呼吸困難は死を連想させることが多く、精神的にも不安定となりやすいため、心理的なケアが必要となることもあります。
増悪をおこしてしまうと急速に病気が進行してしまうため、増悪を予防して安定した状態を保つためのセルフマネジメント支援と、憎悪期には心身の安寧と意志決定が尊重された治療となるように全力を尽くしています。
慢性呼吸器疾患の患者さんは疾患の進行によって生じた呼吸困難により、活動が制限され今までの生活を変化させなくてはいけなくなることもあります。そのような中でも看護チームとして技術を駆使し、様々なことと折り合いをつけながら生活する患者さんやご家族の苦悩や困難に寄り添い、価値観やライフスタイルを知ったうえで、患者さんがその人らしい生活が送れるように支援していきたいと日々活動行っています。
患者さんやご家族の思いをくみ取り、その人らしさを大事にしてテーラーメイドの医療を提供できるように努めていきたいと日々精進しています。
がん性疼痛看護認定看護師 澤田 舞
がん患者の約80%が何らかの痛みを抱えていると言われています。がんの痛みは身体の痛みだけでなく、心の(精神的な)痛みも伴います。このような患者さんやそのご家族が、より良い生活が送れるよう、また、痛みと上手に向き合いながら生活ができるようにサポートを行っています。
がんとともに生活をする患者さんやそのご家族に対してだけでなく、痛みを抱えている患者さんのケアを行う看護師に対しても、相談を受け、アドバイスを行うなど日々活動を実施しています。それと同時に、薬物療法に伴う副作用症状なども含めて、薬物療法が正しく行えているか、患者さんが苦痛なく過ごすことができているかなど、医師や薬剤師とも協働しながらケアを行っています。
これからは、在宅で過ごされている患者さんやそのご家族に対しても、生活に関する相談などに力を入れて、がん性疼痛看護認定看護師としての活動の幅を広げていきたいと考えています。