2025年 年頭所感
2025年1月6日掲載
新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
1939年に傷病軍人神奈川療養所として創設され85年目の2024年、私は15代目の院長を拝命しました。人材・財政・設備、多くの課題を抱えての船出でありましたが、本年も職員一同、地域医療とセーフティネット医療(結核・重症心身障がい)への貢献に努力を続けてまいります。
まず「人材の回復」を重点課題とし、機構本部から看護師派遣の支援を受けながら、昨年は手分けして青森から鹿児島まで30を超える看護学校や大学医学部・看護学部を訪問し、支援・協力をお願いしました。生き方や働き方が多様化する今、当院の特性に共感し将来を託したいと思う人材が、ここに集まる未来を信じて本年も活動を続けます。
また昨年10月に私達は大きな「挑戦」、新たに制定された地域包括医療病棟を開設しました。ここでは、高齢者の急性期治療と同時にリハビリテーション、栄養指導、服薬指導などの包括的ケアを展開し在宅復帰を推進します。この実現のため多くの職種のスタッフが尽力し、半年間の仮想設定運営を経て、困難な基準を満たす準備を整えました。団塊の世代が後期高齢者となる節目の本年、地域医療へのさらなる貢献を目指します。そしてこれらの努力は、当院のもう一つの使命である「セーフティネット医療」の充実や、老朽化した外来・検査棟の「建て替え」計画にもつながると信じています。
昨年9月に4年ぶりに開催された症例検討会は、近隣医療機関の方々と共に総勢100名を超える交流の場にもなり、盛況のうちに終えることができました。また11月の市民祭では日赤病院と共同で出店し、5つの出し物にのべ1200名以上の市民の方々にお立ち寄りいただきました。地元医療機関や市民の皆様の温かいご理解とご協力、そして私達の底力をも再確認するに至りました。
自然豊かな環境に恵まれたこの地で、「信頼される病院」「良質な医療の提供」という理念を胸に、引き続き職員一丸となって皆様に愛される「そら色の病院」の再興を目指します。
本年が皆様にとって健康で実り多い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
独立行政法人 国立病院機構 神奈川病院
院長 中村守男
院長 中村守男